環境報告研
Environmental Reporting Lab


気候変動を緩和しかつ大気質を改善
メタンおよび黒色炭素の排出量を大幅に削減する対策

 国連環境計画(UNEP)および世界気象機関(WMO)による報告書
「黒色炭素と対流圏オゾンの統合評価」の政策決定者向け要約の表2

対  策 1 部 門
 メタン対策
 炭鉱での採掘前のガス抜きと、換気空気からのメタンの回収と酸化を拡充する。  化石燃料の
 採取と輸送
 石油や天然ガスの生産において、付随ガスを放出せずに回収して活用し、意図しない逸散排出を抑制できるよう改善する。
 長距離輸送パイプラインからのガス漏洩を削減する。
 リサイクル、堆肥化、嫌気性消化を通して生物分解される都市ゴミを分離処理し、埋立地ガスを収集して燃焼または活用する。  廃棄物処理
 基本的な廃水処理を、ガスの回収とオーバーフロー制御を備えた二次または三次廃水処理に格上げする。
 主に農場規模で牛や豚の糞尿の嫌気性消化によって発生しているメタンの排出を抑制する。  農 業
 連続して湛水させている水田に対して間欠的に通気する。
 黒色炭素への対策
(黒色炭素およびその他の一緒に放出される化合物に影響を与える)
 道路および道路以外で使用のディーゼル車に対してディーゼル微粒子除去装置を取り付ける。  輸 送
 道路および道路以外での輸送において高排出ガス車を廃止する。
 料理用コンロと暖房用ストーブにおいて、石炭を練炭に取り替える。  住 居
 先進工業国の住居部門において、現在の薪を焚く技術を、リサイクルされた木屑やおがくずで作られた燃料を用いるペレットストーブやボイラーに交換する。
 開発途上国において、料理および暖房用に、燃焼による大気汚染の少ないバイオマスストーブを導入する2、3
 開発途上国において、従来のバイオマス料理用かまどを、最新の燃料を用いた大気汚染の少ない料理用ストーブに置き換える2、3
 従来型のレンガ製造窯を、立坑レンガ窯(Vertical shaft brick kiln)やホフマン窯に取り換える。  工 業
 開発途上国において、従来のコークス炉を、エンドオブパイプ方式の削減手法に改善を加えた最新の副産物回収式コークス炉に取り換える。
 農業廃棄物の野焼きを禁止する  農 業
  1. 表に示された対策以外にも実施されるべき対策がある。例えば、電気自動車にはディーゼル微粒子除去装置と同様の効果があるだろう。また森林火災を制御することは重要であるが、人為起源である火災の割合を確証することが困難であるために含まれていない。
  2. それが健康ならびに氷結や積雪などの地域気候に及ぼす影響によって、ある程度、動機づけられる。
  3. 料理用かまどについては、黒色炭素排出に及ぼすそれらの重要性を考えて、2つの代替的対策が含まれている。
  4. 工場内または事業場内で発生した有害物質を最終的に外部に排出しない方法。
© Copyright: UNEP and WMO 2011 – Integrated Assessment of
Black Carbon and Tropospheric Ozone: Summary for Decision Makers.